私見で今まで学んできた自然科学分野のムカつくモノをランキング形式でまとめてみたよ。
ベスト10にしようかと思ったものの、一度考え始めたら次から次へと出てきたので、15個選びました。これでも絞ったほう。断っておくとどれも重要なものですし、難しいとか役に立たないとかではなく、「ムカつく」ものを選んでいるので、個人的な感覚が大きいです。まずは選外から↓
選外
粒子波動二重性、不確定性原理、相対性理論、トンネル効果など、ここまでぶっ飛ぶと割と素直に受け取れます。
では15位から1位まで。
15位 アンチモン(化学-元素)
元素記号と発音が一致しないものは多々あるけれど、その最たるものがアンチモン。
しかも英語でもAntimonyで元素記号をSbにしても誰も得をしない。
成仏すべきゾンビ言語のラテン語が何時までも生き残っている中でも最も悪い例。
14位 大きすぎる・小さすぎる乗数(物理-定数)
プランク定数、アボガドロ数、ボルツマン定数に何度うんざりさせられたかわからない。普段は素知らぬ顔をして定期試験では牙を向いて襲いかかってくる。
無敵を誇る関数電卓もこいつらに対してはあまりにも無力だ。かと言って自力で計算すると必ずと言っていいほど間違いを犯す。
13位 sin,cos,tan以外の全て(数学-三角関数)
突然これを書いても覚えている学生は実はとても少ないと思われる。こいつらがハイパボリックったりすると最低、何でも名前付けるなよ。しかし問題なのは寧ろ12位。
12位 ラジアン角度(数学-高校数学)
サイン、コサイン、タンジェントと言うと数学苦手っ子にとってアレルギーレベルの単語だけど、実のところそう難しい概念でもないと思う。
問題なのはこのラジアン角度の方でしょ。突然出てきて高校生を混乱の中にたたき落とす。
だいたい全ての人がπ/6を見たときに脳内では30°に変換されているでしょうに。
11位 TCAサイクル(生物-代謝)
もう生命の神秘って事で片付けて置けば良かったものを…。
高校の頃は暗記ばかりだったけれど大学ではどんなことをやるんだろう、と胸をときめかせていた新大学生をさらなる暗記地獄にぶち込む先導者。
多分看護医療、体育生理学系の人とかもむかついてると思う。
10位 エネルギーバンド(物理-半導体)
いや俺の専門なんだけど、エネルギーバンドって物質のどこにあるんだよ。エネルギーバンドの変化って言うのは半導体中で何が起きてるんだよ。
電子なの?帯が電子なの?状態を表してるの?これはグラフなの?第1ブルリアンゾーンが何で関係してくるの?といった謎はそのままスルーされて多くの学生の間で"ハシゴ付き滑り台的な何か"ということになっている。
9位 分数の割り算(初等数学)
これをすんなり受け入れられる小学生は素直すぎる!「ひっくり返してかけ算」何がひっくり返してだよ、なんでひっくり返ったんだよ。割り算という非常に直感的な計算を曖昧にする。「割り算なんて無かった」。
8位 背理法(数学-高校数学)
「これは納得行かない」という多くの声が寄せられました、証明法というより黒魔法。Wikipediaにも『数学的直観主義においては、背理法による証明は成立しない』と言われ、アンサイクロペディアによれば『俺の彼女は美人だと言うことを証明するために道行く人に「私の彼女はブスですか」と言うことを聞く』ような悪魔的手法。
7位 反応速度の公式すべて(化学-物理化学)
もうこのへんの公式は全部同じにしか見えない。声に出して、紙に書いて公式を覚える、という基本技術を使っていると徐々に精神がやられてくる。
しかし6位には及ばない。
6位 大きすぎる行列(数学-行列計算)
大学生の洗礼のひとつ。卑怯なことに行列の授業になると教授はパワーポイントを使って授業を始める。しかもiとjなどという最悪に見分けにくい文字を使い始める。
5位 ホールピペットの存在とその扱い(化学-実験器具)
大学で化学やりたいなと思ってた俺が化学やめたのは90%位こいつのせい。
線ぴったりにするために変なゴム鞠で行ったり来たりした上、握って温めて一滴絞る、そして共洗いって職人技を要求してくる。「ピペド」として悪名高いマイクロピペットより馴染みがあったのでこっちにしました。
4位 相乗平均(数学-高校数学)
生意気にも割り勘でおなじみ相加平均に取りいって多くの場合何の意味もない計算結果を返してくる。入試でちょっと使う以外の相当滅多に使わない虎の威を借る狐。
3位 結晶の対称性(物理-結晶)
ステレオ投影図。これ分かりやすいと思ってるのかよ…。
点群・空間群・シェーンフリース記号・7つの結晶系と14のブラベー格子。もうこのへんが何の学問なのか分からん。
2位 X線散乱とX線の授業を持つ全ての教授(物理-教授)
どんな分野にも楽しい授業をする教授、つまらない授業をする教授がいるけれど、何故かX線の授業をもつ教授はどの大学でも全て意味不明系の教授が担当する。
謎の粉があったときにどう調べるか、目で見て色で確認する。これをちょっと応用した程度の代物に何コマも何コマもかけて、光の話なのか、波動の話なのか、実験の話なのか分からない謎の授業をする。
1位 ベクトル
お待たせしました1位、ベクトルです。
中高大学生全てのステージで挫折に追い込む可能性が大いにある。悪魔の化身。
全ての人にとって卒業と共に「名前を呼んではいけないあの人」になっていることでしょう。
ちなみに僕は上の式が覚えきれなくて留年しました。永遠に恨み続ける。
やっぱり地学や生物、宇宙物理など縁遠いものはあんまり選べなかったですね。
いや俺が作り直す!とか納得の行かない英文法ターゲット30や馬鹿過ぎる歴史的事件ベスト108など作られることを期待してます。