2011年6月12日日曜日

5月22日~28日

ドイツはベルリンに行ってきました。楽しかった。超楽しかった。充実したというか、価値観が大きく変わった一週間になりました。
写真を沢山撮った、400枚くらい撮った、美術館の中でも撮れるとは!名画をモデル扱いにできて楽しかった。というわけで写真を載せつつ名所を紹介しようかなと思ったんだけどいいや。

僕は日本が好きだった。先進的で、多湿で、閉鎖的で、居心地が良かった。自分の能力や思想や志向を白紙の状態から何年もかけて『日本人的』なものに作り上げて行って、今もその途中だった。今となっては果たしてそれが人として正しい成長だったのか分からなくなっている。ずっと疑わずにやってきたことがヨーロッパの一部にたった1週間居ただけで色褪せて見えてしまう。夢中で取り組んでいたはずなのに、日本に帰って待っていることといえば退屈無明な仕事と下世話でチンケな趣味に思えて仕方がなかった。帰りの飛行機の中で出来れば飛行機に不具合でも起きてドイツに特別滞在にでもならないだろうか、農場でポテトを育てる住み込みの仕事を見つけることも出来るんじゃないかと、そんな風に考えると涙を止められなかった。
住んだわけでも (仕事だけど) 仕事をしたわけでもない、たった一週間旅行しただけだったけれど、それでも見えたものはある。薄々と日本のこういう所おかしいんじゃないか?こんなもんなのか?と思ってたことは、やっぱりおかしいところだった。
学会会場には世界中から学者が集まって、極東からも中国、韓国、台湾、香港の方々が出席していたけれど日本人は簡単に見分けることが出来た、スーツを着ていたから。日本人がスーツを着ることに合理的な理由なんて欠片も無い。ジーンズでポスターセッションしているインド人も居た。
そうした自由さが何より重視されているような気がした。無意味に自分を縛る必要なんてないのに、日本では人々が相互に行動を縛っている気がせずにはいられない。電車内に自転車を入れても犬を入れても良いよね。その電車は改札無しのタダ乗り許容状態だったけど、日本ではパスモがあれば財布から切符を出さなくても大丈夫って言ったらどんな顔するだろう、あれはどういう経営システムなのか理解出来ないけれど。
あとなんでか日本じゃ訳も無く笑っていると気持ち悪いと言われる、それは普通だと思っていたけれど美術館のガードに笑顔で挨拶したら絵の解説までしてくれた、まぁ旅行者然丸出しだったとは言え親切(おせっかいとも)言われている人が多いそうで、道案内をしてくれたり…、とにかく英語が通じて驚いた。英語から逃げ回って理科系まで来たのに、ドイツ人の英語聞き取りやすいし僕の英語を聞き取ってくれて感激のあまり喋りまくってた。一緒に行った奴は殆ど喋れてなかった。よくも偉そうなこと言ってくれたもんだ、まあ自分もこんな感じだったなーとは思ったけど。

とまあどっぷり染まってきた訳だけれど、ところ構わず私物にすら落書きがあったり煙草の吸殻のポイ捨てが凄まじかったり閉口する部分もやっぱりたくさんあった。決して日本人が劣っているとかそんなことは全くない、素晴らしい精神性を持ち合わせているのに…何故か苦しんでいるように感じられてならない。

ともあれ、やっぱり日本から一歩も出ないってのは良くないな。海の向こうにはバームクーヘンをタルトにしてしまう国もあるのよ、あれはなんとしてももう一度食べなくちゃいけないからー。