2010年9月25日土曜日

用と美

うらわ美術館のうらわはなんでひらがななんだよ。さいたまと同じ流れ?さいたまけんみんは漢字読めないの?

そういえばこっちの方に引っ越してからこっちのほうの美術館に来たことが無いと言う事に気づいて以来こっちのほうの美術館ってなんか無いのかとずっと気になってたんだけど、今回良さげな展覧会がやってたのでうらわ美術館に行ってきました。

美術ファンになったのは高校入ったと同時だったので中学校の美術の時間って何してたかあんまり覚えてない。でも一番最初の授業で習った言葉を良く覚えてる
「用と美」
って言葉なんだけど便利で美しいって意味でテストにも出てた気がする。誰がどんな背景で言い出したか、とかそういうことは習わなかったんだけど民芸運動の中心人物柳宗悦って人の言葉。これは日本独自の運動なんだけど少なからず影響を与えているのがアーツ・アンド・クラフツって運動。このアーツ・アンド・クラフツって運動を主導したのがウィリアム・モリスって人で今回行ってきた展覧会がウィリアム・モリス展、前置き長かった。

すばらしい音楽は三要素、メロディー、ハーモニー、リズム、が必ず揃ってるけど工業製品の三要素コスト、ファンクション、デザインのうちデザインがまだ軽視されてると思うんだよね、一時期よりどんどん良くなってると思うんだけどそれも機能がコモディティ化しちゃったからデザインに逃げてきてる感じがする。
ファッションなんかはデザインが最優先されてる、優遇されすぎてる気もする、けれどインテリアや雑貨なんてわりとだれも気にしない。IKEA最強。デザインを気にして出来上がる部屋はたいていこんなの

かっけえええええええええ!!!!!!!間違いなくカッコいい。
でも時々自分が自然の中にいることを忘れそうになる。人間はこんな存在ではないはず。明らかに人の手で作られたものではないものをどれだけ愛せるのか。ウィリアムモリスはそんなことを言い出した




モリスのデザインした壁紙。なんだこの古くせーセンスは、おばあちゃんちでもこんなの見ねーよ。
でもこのデザインは部屋に篭ってコンピューター上で作れるものじゃない。自然をよく観察しないといけない、都市生活は自然の美しさに価値を感じるのを難しくしている。

産業革命の結果安価で粗悪な商品ばかりであることを批判して始めたアーツ・アンド・クラフツも残念ながら結局は金持ちのための高価な製品になっちゃった。でも庶民がごく普通に芸術品や凝った職人技の工芸品を持つ国があった。それが日本。だったんだけど今ではすっかりそんなこともなくなっちゃった。おしいよなー。なんで昔のものを大切にしなくなっちゃったんだろう。

なんてことに近しいことが展覧会のカタログに書いてあった、いやーこんなに読んでて面白いカタログも始めてだわ。使命だからしょうがないけど、国立美術館のカタログが正直意味不明の学術書籍みたいになってる中展覧会の出し物にあわせてステンドグラス作家、染織家、作家なんかの寄稿があって読み物としても十分。収蔵展もきちんと関連させてたしうらわ美術館はホテルワンフロアの美術館じゃもったいないよ。


で、ここまでで半分で、東郷清児美術館にも行ったんだけど時間なくなっちゃったから今回はここまでで。続きはまた今度。こっちの日記にはiPhoneのこと書かなかったから3連続美術館日記になっちゃうな、いやだなー、こっちには何か挟もうかなー。